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うつ病の人がとる行動

 

うつ病の人がとりがちな行動

あまり会話をしなくなる

自ら話を振ることがほとんどなくなり、周りから会話に加わるようなアクションがあっても、ますます自分の殻に閉じこもって逆効果になってしまいます。

好んでおこなっていたことへの興味・関心の喪失

好きだった趣味、読書、テレビや映画への興味といった情熱や関心、興味などが失われてしまいます。

人との接触を避ける

同じ職場の人やクラスの仲間だけではなく、家族や若いころからの友人などとの接触も避けるようになってしまいます。

身だしなみに気を遣わなくなる

服を着っぱなし、髪型などがみだれていても気にしません。お風呂も億劫で入らなくなることもあります。


 

仕事中に見られるうつ病の行動

ケアレスミスの増加

うつ病を発症すると何事にも意欲や集中力がなくなってきます。また仕事に対する熱意なども低下するため、効率も低下して普段はしなかったようなケアレスミスが目立ってきます。ミスは誤字、脱字などの見直しミスから、会議を忘れる、客先との約束を忘れるなど、が目立ってきます。うつ病を発しやすい人は普段、まじめで努力家というタイプが多いため、こうしたミスはかなり目立ちます。単に過労でもこうした自体がおこりますが、続くようであれば周囲の方が気付いてあげることで早期の受診や、また産業医がいる職場であれば産業医面談につながり症状の早期改善につながります。

勤怠の悪化

うつ病を発すると不眠になりがちです。そのため、朝がつらく、日中にも不眠の影響が残り、少しずつ遅刻や早退が増えてきます。そのうち、遅刻や早退の常習となり、やがては無断で休んでしまい、会社にこなくなることもあります。突然こうした傾向がでてきたら注意が必要です。

やる気の低下

うつ病では、脳内の神経伝達物質に異常がおこっていることがわかっています。やる気などを担当するホルモンの分泌が低下することで、何事にもモチベーションが下がってしまいます。
これまでバリバリと仕事に取り組んでいたとしても、うつ病を発症すると、だんだんすべてにやる気がなく投げやりになってしまいます。仕事に対するモチベーションを保てなくなることで、さらに悩んで悪循環に陥ることもあります。

身だしなみへの意識の低下

自身や周りへの興味をなくしてしまうため、服装や髪型といった身だしなみに気を使わなくなる傾向があります。たとえば、同じスーツをずっと着っぱなしでよれよれになっていたり、汚れていたりしても気にしません。髪の毛はボサボサで脂じみている、顔も洗わないので目やにがついたままなどといったこともあります。男性でも女性でもこの傾向がありますので、周囲で突然こうした人がいたら要注意です。

コミュニケーションの低下

うつ病になると、自分の殻に閉じこもって、まわりとのコミュニケーションを嫌うようになることがあります。今までランチをともにしていたのに急に一緒にいかなくなるなどの場合も気になりますが、仕事上のコミュニケーション量が低下してしまうと問題です。突然コミュニケーションがとれなくなってきた人がいたら注意が必要です。


 

学校で見られるうつ病の行動

授業中に居眠りをしてしまう

うつ病になると睡眠障害があらわれやすくなります。不眠の影響は日中にも残り、授業中に居眠りをすることが増えます。また同じ睡眠障害でも過眠になるとどんなにたくさん寝ていても授業中にも眠ってしまいます。もともとまじめな子が多いだけに突然居眠りが増えてきた場合、気をつけて見守る必要があります。

課外活動を休みがちになる

やる気の低下、倦怠感、疲労感などがあらわれると、部活動などの課外活動への意欲も低下し、だるさなどから休みがちになります。また、不眠の場合朝の活動ができず、朝練などに参加できなくなることがあります。急にそのような傾向が出たら要注意です。

成績が下がる

集中力が低下して、知っていることでもケアレスミスをしてしまうことや、勉学に対しても意欲が低下することで、テストの点数が下がり、成績が低下していきます。それまで得意としていた科目でも継続的に成績がさがってきた場合、よく観察しておく必要があります。

一人行動が増える

うつ病によって、他人とのかかわりが億劫になり、コミュニケーション量も減ってしまうことがあります。突然一人で行動することが増えてきたら、注意が必要になります。


 

家庭でみられる行動の特徴

食欲の減退がみられる

うつ病の意欲減退は食事にも影響を与え、食欲減退が見られるようになります。すききらいに関係なく、食欲そのものが減退してしまうのです。とくにダイエットをしているという訳でもないのに、食べ残すようになった場合、身体的な疾患以外にうつ病の心配もあります。
また酒量が増えてしまうこともあり、そちらも注意が必要です。

急に無口になって会話が減った

うつ病ではコミュニケーションへの意欲も減退してしまいます。家庭内でも同様で、それまで普通に会話のやりとりをしていた人が、急にしゃべらなくなり、無口になってしまうことがあります。とくに何かじっと考えている様子で話しかけても反応がない場合には精神的な重圧がある可能性もあり要注意です。

朝起きてこない

いつもは、仕事や学校の時間に間に合うように、きちんと起きていた人が、急に朝寝坊をするようになり、時間になっても起きてこないようなことが増えた場合も要注意です。うつ病による不眠で朝起きられない場合や、意欲が減退して起き出したくない場合があります。
こうした家庭での特徴は、ご家族にしか気づけないような重要なサインを含んでいることが多く、いつもと何かが違うようなことが起こっている場合、うつ病の可能性も考慮にいれて注意深くみまっておき、どこかの時点で専門医に相談するようにしましょう。


 

うつ病の人が発する言葉のパターン

うつ病になるとよく使うようになる言葉のパターンがあります。
以下のようなパターンが増えてきたら、少し気にかけて見守っていきましょう。

  • 否定的な発言や、消極的な発言がふえてきた
  • 「絶対」や「こうしなければだめ!」といった言葉が増えてきた
  • 「わたしは」「ぼくは」「じぶんは」など一人称単数で話すことが多くなった

否定的で消極的な発言がふえてきた

うつ病では、自己肯定感が低下し、また考え方も消極的になるため、会話の中にネガティブな要素が増えてきます。「もう絶望的だ」「なんで私ばっかり不幸をしょいこむんだろう」といった表現がよくみられます。つい自分の中の抑うつされている気分があらわれてしまうもので、うつ病のなかでもわかりやすい症状の一つです

「絶対」や「こうしなければだめ!」などの言葉が増える

うつ病になると、感覚や感情の幅が狭くなります。そのため、1か0か、YesかNoかなど選択の範囲が狭まった発言をするようになります。もともとまじめで勤勉な人がうつ病になりやすいため、ますますその傾向が強くなり「絶対」「しなければ!」などの強い表現となってしまいます。しかし現実ではなかなかYesかNoかで物事は決まらないため、さらにおちこみの悪循環にはまってしまうこともあります。

「わたしは」「ぼくは」「じぶんは」など一人称単数で話すことが多くなった

うつ病によって、他人や会話相手への興味がなくなってしまい、自分のことだけを考えがちになると、「わたしは」「ぼくは」「自分は」など一人称単数で話すことが多くなってきます。強く気持ちが内を向いているあらわれです。


 

うつ病の人の表情パターン

うつ病になると、言葉や態度だけではなく、表情もそれまでと大きくかわってしまうことがあります。全体的に表情が乏しく平板になり、よく笑っていた人がまず笑顔をみせなくなる、焦点のあっていないぼんやりとした様子が増えたといった場合は、よく見守る必要があります。患者様ご自身では気づかないことが多いため、気がつくことがあれば家族や友人、同僚などが声がけをしてみましょう。


 

行動パターンの改善方法

生活習慣の改善

うつ病では、心身が疲れ果ててしまうことが多く、大切なことはしっかりと心と身体を休めることです。あまり残業をせずに定時で仕事を上がるようにする、少し休暇をとって休養するなどの他、状態によっては休職・休学などを検討することもあります。とくに重症の場合は入院も検討します。その他の生活面では、規則正しく3食を食べ、お酒は控え目に、適度な運動や趣味に時間を割くなど生活のパターンを変えてみましょう。

認知行動療法

うつ病になる人は、ストレス要因に対して、まじめに対応をしてしまう傾向があり、そのためにストレスを蓄積しやすい傾向があります。まじめにむきあって対応をしているため、それが常態だと思い、ストレス要因になっていることに気づきません。
認知行動療法で、ストレスの要因になっている部分の入口に気づくことで、何がストレスになっているのかをご本人が認識し、軌道を修整していけるよう、医師やカウンセラーがお手伝いします。

認知行動療法

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