うつ病の前兆、前ぶれについて
うつ病と聞くと皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか。
うつ病患者さんの多くはうつ状態になって突然に”ぽきっと心が折れたり”はしないのです。うつ状態、うつ病になる前にはいくつかの前ぶれが生じることが多いのです。
睡眠に前ぶれが現れることも多くあります
- 疲れているのに寝付けない
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- 途中で何度も目が覚める
- 早朝に目が覚める
- 逆にどれだけ眠っても寝足りない
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また家族や職場の同僚など周囲の方が異変に気が付つくこともあります。例えばいつも元気にしっかりと挨拶をしているのに声が小さくなったり挨拶をしなくなったりこちらが挨拶をしても返ってこないなどです。目が合わなくなると特に要注意です。産業医としてメンタル不調で休職になった方や、メンタル不調で面談対象となった方の上司に聴取していくと多くに共通する症状です。短時間であったとしても毎日挨拶を交わす習慣はメンタル不調に早期に気が付くのに非常に重要だと感じます。
思考力の低下に前ぶれが現れることも多くあります
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- 普段より頭がもやもやする
- すっきりとしない
- 考えがうまくまとまらない
普段であれば複数の仕事を同時並行で優先順位をつけてこなせるのに何からやっていいのかわからないといったことが増えてきます。そのような症状が出てくると仕事の効率が落ちてしまいます。その結果残業が増えてしまい睡眠時間や趣味の時間がさらに削られていきます。またさらに悪化すると大きなミスが増えるといったことが生じ、上司や取引先に迷惑をかけて叱られてしまったりすることも生じます。
そうなると自信の喪失となり、“仕事がうまく続けられるのだろうか“とった不安が強くなりますます睡眠にも支障が出てきます。睡眠の支障がさらなる仕事への支障につながります。不安が強くなると正常な判断の力も低下してしまします。そうなると”自分ひとりで抜け出すことができない悪循環”に陥ってしまいます。
ここまで例をあげたようにうつ病には前兆があることが多いので何か普段との異変を感じたりした場合はできるだけ早く周囲の方に相談するのがいいでしょう。また家族や職場など周囲の方が早めに気付いてあげて声を掛けるのも重要です。ストレスチェックを毎年行っている会社であれば自身の結果を保存しておき普段と変化がないか自身で把握すると予防に役立つでしょう。
※頭がもやもやするといった症状には他にも様々な原因があるので下記もご参考ください
https://www.warabi-mental.com/brain-fog/
※早く気づけるストレスケアの動画もご参考ください(厚生労働省HPより)
https://kokoro.mhlw.go.jp/video/001.html